はじめに

11人。
これは、2024年度に社会学部生として教員免許を取得した人数である。
関西大学社会学部の1学年の学生数は、およそ800人。
比べて、学部生の数がほとんど変わらない文学部の教員免許取得者は162人と、かなりと差がある。
なぜ、社会学部の教職課程の履修者は、これほどまでに少ないのだろうか。
その理由のひとつとして、社会学部では教職課程の単位が卒業単位に加算されない点が挙げられる。
社会学部は、決して教職課程を履修しやすい学部とは言えないのである。
では、なぜ彼らは大変な道を選び、教職課程の履修を決めたのか。
また、多くの学生が離脱していく中で、今なお教職課程を履修し続ける学生たちは、どのような思いを抱き、何のために努力を続けているのだろうか。
多くの社会学部生が知らない、教職課程の世界に迫る。
そもそも教職って何するん?
筆者自身も、社会学部で教職課程を履修している数少ない学生の一人である。
社会学部生が目指すことのできる教員免許は、基本的に中学校・高等学校の社会科である。
まずは、教職課程を履修する筆者の1年生から3年生までの時間割を通して、教職課程についての理解を深めていこう。
〈1年生〉

(赤…卒業単位に含まれない教職の授業 黄…卒業単位に含まれる教職の授業)
1年生時から教職課程の授業は開始する。
1年生時の授業は、教師の仕事内容や学校の歴史など基礎的な内容が多い。また「日本史概説」というような日本史に特化した専門的な授業も、1年生から履修できる。時間割を見ていただくと分かるように、週6登校+月曜日1~6限というハードなスケジュールをこなす。
〈2年生〉

(赤…卒業単位に含まれない教職の授業 黄…卒業単位に含まれる教職の授業)
2年生になると、応用的でより専門的な授業を受けれるようになる。授業数はなかなか減らず、週6日登校、全休も春学期にしかない。また、来年度に行う「介護等体験」の事前学習や説明会などのイベントが入るようになる。
※「介護等体験」とは…
「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律」(平成9年法律第90号)に基づき、特別支援学校や社会福祉施設(老人福祉施設、障害者支援施設等)において、7日間以上、障害者、高齢者等に対する介護、介助、これらの者との交流等の体験を行うことを、小学校・中学校教諭の普通免許状の授与の要件とするものです。(文部科学省)
〈3年生〉

(赤…卒業単位に含まれない教職の授業 黄…卒業単位に含まれる教職の授業)
3年生にもなると、ようやく時間割の詰まり具合が落ち着いてくる。「生徒・進路指導論」といった、より教育現場に近い授業が増えてくる。秋学期からは「教育実習事前指導」がスタートし、来年度に控えたビックイベントの「教育実習」に向けて準備が始まる。
また、同時期に「介護等体験」が9月ごろから順次スタート。教職課程と通常授業、加えて就職活動と非常に忙しい時期に突入する。
おわりに
…と、ここまで教職課程の流れを見てきた。
教職課程について、少しは理解していただけただろうか。
次回からは、社会学部で教職課程を履修している学生2人へのインタビュー内容を紹介する。Part2では教師を目指し日々努力している学生、Part3では教師にならず一般企業を目指す学生に話を聞いた。
次回もぜひご期待いただきたい。
