はじめに
Part2では、社会学部で教職課程を履修し、教師を目指しているひとみさんにお話を伺った。
今回は、「社会学部の先生のたまご」の中で、一般企業への就職を予定しながら、現在も教職課程と就職活動を両立している学生にインタビューした。
いざ、インタビュー!

【取材対象者】
心理学専攻 3年生 しずかさん
中学校教諭一種免許状(社会) 取得予定
高等学校教諭一種免許状(地理歴史・公民) 取得予定
※筆者としずかさんは親しい間柄のため、インタビューは終始ラフな雰囲気で行われました。あらかじめご了承ください。
筆者 :今日はよろしく!
しずか:こちらこそ、よろしくやで~!
筆者 :それではさっそく、教職は履修してるけど教員になる予定はないということで。それなのに、教職課程を履修し始めたきっかけとはなんやったんかな?
しずか:正直でいいんよね?これって(笑)。
筆者 :はい、正直にお願いします(笑)。
教職課程を履修したきっかけとは…?
しずか:まあ、大きい理由としては「将来の選択肢を広げることができる」ってことかな。これから人生は長いし、実際最初に就職したところにずっと勤めるかって言ったらわからへんし。
筆者 :うんうん。
しずか:なにか一つ、資格を持ってることが自分の強みになるかもと思ったりもして。しかも教員って人員不足っていう課題も近年あるわけやし、なにかしら自分の今後のライフプランに活かせるかなと思ったんが理由かな。
筆者 :なるほど。他に理由とかないん?
しずか:まあ、そうやな。お母さんにとってみたら?とは言われたかな。
筆者 :そうなんや。やけどそれだけで教職取ろうとは思わへんやろうから、最初に話してくれたみたいな理由がやっぱり大きいんやね。
友達と一緒に取ろうとかはなく、一人で飛び込んだんよな?
しずか:そやな(笑)。最初はほんま一人やったな。今は友達いっぱいできたし、それでしんどいこと多い教職を頑張れてる。
筆者 :それは私もだな(笑)。
しずか:一緒に頑張る子の存在はおっきいよな。
どうして教員にならないのに、教職を取り続けているのか?
筆者 :これ絶対聞きたいと思ってて。なんで教師ならないのに教職課程を履修し続けてるん?結構周りは辞めていったりしてるわけやんか?それでも続けている理由知りたい。
しずか:そやなあ。さっきの話と若干被るかもやけど、長い人生みたときに、教師の仕事って絶対なくならないと思ってて。今の多くの仕事ってAIに取られていくとか言われてるやん?でも、教師は絶対AIじゃ無理だと思ってて。人対人やんか、教師は。
筆者 :うんうん。
しずか:ま要するに、自分の人生の幅を広げることができるかなって思ってるんよね。教師の資格持ってることで。
筆者 :そうやね。教職の授業とか受けてて思うけど、これは人間だからできる仕事よね。AIじゃあ絶対できないと思う。
しずか:うん。いろいろ想定外のことが起こりやすいからね、信頼関係も必要だし。
筆者 :ほかには理由とかないの?
しずか:あ、あとパソコンのスキルアップできるからかな。建前感強めやけど(笑)。模擬授業とかでスライドとか資料とか作らないとやから、自然と身につく。
筆者 :確かに。めっちゃいろいろと量あるもんね。
教職を履修していて「学びになった!」と思ったことは…?
筆者 :パソコンのスキルアップの話がありましたけれども、しずかが教職取ってて「学びになったな!」と思ったことを具体的に教えてほしいな。
しずか:それでいうと、『特別支援教育論』の授業と、実際に特別支援学校と障がい者の方が働いている作業所行ったことかな。
筆者 :『特別支援教育論』、私も受けたわ。
しずか:なんだろう、障がいの幅広さを知れたというか、改めて実感できたっていうのが自分の中では大きいかなって思ってて。実際に私の周りに障がいのある方がいないというのもあってさ。でも、授業や実習を通して障がいの幅広さとか多様性とかをきちんと学ぶことができて、知ることができたかな。
筆者 :うんうん。
しずか:障がいの有無に関わらず、自分が相手の気持ちに寄り添うことで上手にコミュニケーションをとれるということが分かったし、実行してる。
筆者 :なかなかないよな、障がいのある方と関わる機会って。私も支援学校行ってから、ヘルプマークをよく気にかけるようになってさ。そう思うと、だいぶ意識変わったわ。
しずか:ほんまにこれは社会に出ても大切なことよな。
筆者 :うん、ほんまに。
しずか:あとは、模擬授業とかで人への伝え方とかも学びになったなって思う。どうやったら相手が理解してくれるのか、楽しんでもらえるか、みたいなのをずっと考えないといけないからさ。だいぶ意識してるかも、伝え方は特に。
筆者 :わかりやすくて面白い伝え方は、教員だけでなく会社で働く人にとっても必要な要素やね。
周りの教職仲間が辞めて行くときの正直な気持ち
筆者 :私たちは、先生にならずにいわゆる資格取るだけ組やんか?そして教職課程辞めていく子もそういう人が多いねんけども。
教職仲間がいなくなっていくのは正直どんな気持ちやった??
しずか:そやな(笑)。
でも結構みんないろんな思いがあるからね。やっぱり教職は大前提しんどいし、辞めたいんやったら辞めていいんちゃうっていう納得の気持ちと、今後もっと仲間が減ったら自分も取り続けれるのかなとかっていう不安な気持ちの2つがあったな。
筆者 :うんうん。ただでさえ、教職取る人少ないもんな。
しずか:そう。そして自分もその周りの雰囲気に流されてしまいそうで、それが不安やったかな。私も教員になるわけじゃないし。教員ならんのに取るのも、言い方悪くすれば時間の無駄なわけやん?その間に他のことできるわけやし、たとえば今やと就活とかね。
筆者 :焦るよな、私らが指導案(※)作ってるときにみんなは就活してるんか、と思うとね(笑)。
(※指導案とは、授業の目的や内容、進め方、学習活動、評価方法を具体的にまとめた授業の設計図のこと。)
しずか:うん。まあでも、納得の気持ちが大きかったかな、私は。辞めて行く子たちの気持ちもよくわかったし。
筆者 :引き止めはできんよね。
しずか:だってしんどいもんな(笑)。「まあいいんじゃない」が6割で、「寂しいな」が4割くらいの気持ちかな。
筆者 :うんうん。でも結局しずかは辞めずに、教職取り続けてるわけやん?それは何でなん?何で辞めへんかったんやと思う?
しずか:まあ、同じようなことやけど、人生の幅が広がるからってのが一つかな。資格持ってるって大きな強みやし。田舎行っても、教師の仕事はあるしな。
あとは、一緒に頑張れる仲間がおるからかも。
筆者 :仲間、ね。
しずか:うん。お互い励まし合ったり、協力したり、教職を取ってたからこそ出会えた友達っていうのが本当に大切で。みんなほんまにええ子ばっかやん!いい子じゃないと教職取られへんの?ってくらいええ子やん。
筆者 :(笑)。
しずか:そんな友達と絶対離れたくない!っていうのも結構ある。周りが教師なりますって人ばかりやったら、それこそ辞めてたかもやけど、自分と一緒に民間企業目指しながらも教職頑張ってる子がいたりして。それやったら私も頑張ろうかなって思えたかな。
筆者 :しずかはあれやな、話聞いている感じ、ほんまに友達やな。根本的な思いとしては。
しずか:そやな(笑)。人間関係やね。
最後に一言!
筆者 :では最後、教職をとる仲間に一言と、社会学部の教職を取っていない人たちに一言お願いします!
しずか:はい!まず、3年間一緒に教職を闘い続けてきてくれて本当にありがとう。ここまでほんまに大変やったけど、みんながいたから頑張れたし、同じように思ってる子が多いんじゃないかな。教職を取る中で、仲間の大切さにすごく気付かされたな。しかも今めっちゃしんどい時期やん、夏くらいまでかな。就活もあって、教育実習もあるし。なんかあったら一緒に相談したり、切磋琢磨しあったりして、あと少し頑張ろう。
筆者 :うんうん。頑張ろう。
しずか:ほんで、えっと、社会学部の教職取ってない人たちに一言ね。ほんまにシンプルな疑問なんですけど、もうほぼ単位取り終わって学校に週2くらいしか来ないと思うねんけど、その何もない時間ってほんまになにを…してるんですか…?
筆者 :(笑)私らはずっと学校おるもんな。
しずか:いいなあ、って羨んでるというよりかはほんまに疑問やねん。
教職を取るって選択したのは私やし、妬み嫉みなんてないねんけど、私らよりは時間があるわけやん?知りたい。教えてください(笑)。
筆者 :らしいです、みなさん!(笑)。
終わりに
今回のインタビューを通して、「教員にならないのに、なぜ教職課程を履修するのか」という疑問の一つの答えが見えてきたように感じた。
将来の選択肢を広げるため、学びを深めるため、そして何より仲間がいるから…。
教職課程は、単に資格を取るためだけのものではなく、人との関わり方や伝え方など社会に出ても活きる、多くの学びを与えてくれる場である。
社会学部で教職課程を履修する学生の進路はさまざまだ。教師を目指す人もいれば、一般企業へ進む人もいる。しかし、そのどちらにも共通しているのは、教職課程の中で得た経験や仲間とのつながりが、彼らの大きな財産になっているということだ。
忙しくて大変な教職課程。
それでも続けてきた「先生のたまご」たちの経験は、きっとこれからのそれぞれの道でも、活きていくはずだ。
